逍遥記

自由気ままに、好きなことをし、感じたままに綴る、それがこの逍遥記です

2020年07月14日

穀物作り
昨年からはじめた米作りですがあまりにも作業が忙しくこちらの更新が全く出来ていませんでした。
数年間耕作放棄されていた土地には背の高さをはるかに超えるススキがはびこり、ただ草を刈っただけでは全く使える状態ではなく、最初は鍬や家庭用耕耘機で耕していたもののあまりの広さと根の張り具合にこれでは田植えの時期に間に合わないと土地を借りている方の倉庫に眠っていた動かない小型耕耘機を自力であれこれ調べて何とか使えるレベルまで修理しようやく田植えに間に合ったという次第。

 
荒れ地から整地し田植えをした所

その田植えに使う苗作りも一苦労で、最初の種籾の塩水選からはじまり、自宅で育てていた苗床はネットをしていても何度もスズメに食べられ再三蒔き直してようやく育った貴重な苗。
そんな苦労して育てた苗を植え、定期的な草刈りに追われながら何とか収穫までと思いきやシカに何度もネットを破られ、せっかく生えてきた柔らかい葉を全部食べられてしまいかろうじて復活した苗も最後にはまたシカに食べられ普通のネットで囲っていた畑の稲は全滅。
シカの猛威に為す術がなかったのですが、電気柵をしていた所は、かろうじて動物の侵入を防ぐことができとりあえず収穫までこぎ着けることが出来ました。

 

 
雑草の中で育っていく陸稲

こちらの電気柵をしていた方にはもち米を植えていたのでお正月には自家製のお餅を頂くことが出来ました。
苦労して出来た初めてのお餅は不揃いの粒ではあったものの味は格別で自ら作った事を差し引いても今までで一番美味しいお餅でした。
もちろん無農薬・無施肥栽培という事もありますが陸稲という品種も影響しているように思います。元々の原種に近い陸稲は病気や害虫に強く、雑草さえうまくコントロールできれば水の管理も要らず育てやすい品種だと思います。
陸稲のうるち米は水稲に比べて食味が落ちると言われていますがもち米の方は水稲よりも食味がよく茨城県の一部の地域では今でも作られているそうです。
ただデメリットとして雑草管理が大変であるという事に加え最大の欠点として収量が少なく、収穫時期の揃いが悪いというのがあります。

たとえ収量が少なくとも我が家のような自家消費が目的であれば遠く離れた地域の水の利権問題に頭を悩ます必要がなく、近年多発している豪雨で毎回水の調整や畦の修復をしなければならない事を考えると陸稲は大きなアドバンテージを持っています。

  収穫したもち米で作ったお餅

お米の収穫が終わった冬の畑には前年自宅で育てていた小麦の種を蒔きました。
小麦は冬に生長する植物なので雑草の影響を受けにくくほとんど手がかからないありがたい穀物。
小さいうちだけ何度か麦踏みをし、何度か草刈りをしただけで立派に成長してくれました。

 
立派に育った小麦

比較的簡単に育った小麦ですが収穫以降の作業が問題。
多少収穫時期がずれても問題がないお米に対して小麦は収穫時期が限られており、しかもそれが梅雨時期に重なるので刈り取った後の脱穀や乾燥の作業がとにかく大変。
せっかく収穫出来てもカビがはえては元も子もないのですが手作業でこれをすすめるのはかなりの重労働。
しかも次の米作りの準備もしなければならないので時間が全然足りない。そこそこ収量があったのは嬉しかったのですが、嬉しい悲鳴を上げている状態でした。

小麦が終われば再びお米の季節。
残念ながら今借りている畑が今年いっぱいで使えなくなるのでここでの米作りは今年が最後になってしまうのですがとりあえずやるべく事をやるのみ。
今年の米作りは、もち米は昨年収穫した種籾を使って苗床で苗を育て植えることにし、うるちは新しくイセヒカリという元々は水稲だが陸稲でも育てられるという食味もよいと言われる品種を直播きで植えることにしました。

最近は連日の雨でなかなか畑に行けず直播きしたイセヒカリの苗が雑草に覆われてしまい枯れかかっているのでなんとかしたいのですが仕事の休みの日で雨が降っていないとなるとなかなか難しく厳しい状況が続いています。

コロナに、豪雨に、様々な問題が起こっていますが自然は待ったなしに変化していきますのでただその流れに合わせて変化していくしかないようです。

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