逍遥記

自由気ままに、好きなことをし、感じたままに綴る、それがこの逍遥記です。

2011年5月

2011年05月03日

京象嵌
今年のGWの前半は京都に帰ってきました。3日間の短い期間でしたがあちこち京都観光してきました。中でも印象深かったのが象嵌。
中でも今回体験した布目象嵌は金属に細かい溝を彫り込み、その溝に金や銀を打ち込み、さらに焼き、塗り、彫りを施す事でとても美しい絵柄を浮かび上がらせる日本古来の伝統工芸です。
布目象嵌で特徴的なのが最初の工程である溝を彫る作業です。これは非常に細かい溝を縦、横に施しそれが布目のようになるので布目象嵌と呼ばれるようになったのです。この地味な作業が実は非常に重要でこの溝がしっかり彫れていないと金や銀がうまく溝にはまらず剥がれる原因になってしまうのです。
また象嵌で用いる金は純度の高い24金でなければならずもったいないからといって金箔のような薄いものを用いる事はできません。溝に打ち込む為に必ずある程度の厚さが必要で、かつ純度の高い軟らかい金でなければならないのです。

僕が体験したのは金、銀を打ち込み好きな模様を作るという作業で全工程からすればほんの僅かな作業だったのですがそれでも細かい作業は難しく、なかなか思うようには作れませんでした。

それぞれの工程にそれぞれの職人さんがいる他の伝統工芸と異なり、象嵌では全ての作業を一人の職人さんが行う為、覚えないといけない事が多く、一人前になるのにおよそ10年はかかると言われています。
このように全行程を一人の職人さんで行う伝統工芸の場合分業で行うものに比べて一つ作業をする職人さんがいなくなったからといって潰れたりはしないというメリットもあるのですがその分一人前に成長するのに時間がかかってしまい現代のようにすぐに結果を求められる時代には一人前になるまでの保証が難しいのが現状です。

ただ今のところ象嵌に関してはまだ後継者がいるという事ですぐになくなってしまう事はないようです。
象嵌の作業工程を知らない人が象嵌を見るとなぜあんなに高いのだろうと思われるかも知れませんが材料だけでもかなり高価なものを使い、さらに職人さんの手間や技術力を考えるとあの値段でも安いぐらいだと感じます。
本当はもっともっと伝統工芸の価値を見直さなければならないと思います。

安いものを探せばいくらでも安いものがある時代に一生、いや末代までも受け継いでいける日本古来からある伝統工芸品はこれからの時代もずっと引き継いでいかなければならない技術だと思います。エコカーやエコ家電などではなく本当の意味でエコと呼べるこれらの技術に対してこそ国も助成をしていってほしいものです。

2011年05月14日

GW後半
GWの後半は佐世保で過ごしたのですが4日は有田の陶器市に、5日は波佐見の陶器市に行ってきました。どちらも家からそれほど遠くない距離なので自転車でサイクリングも兼ねて行ってみたのですが有田よりも波佐見の方が活気がありました。
有田は年々売り上げが落ちているようでここ数年は最盛期の2割の売り上げしかないそうです。
特に大物の売り上げの減少は著しくオブジェ的な高価な陶磁器は全然売れていません。いくら伝統工芸士や日展作家であっても家業を続けることが難しくなっており新たな後継者を抱える事が厳しくなっています。

これとは対照的に波佐見の陶器市は昨年の長崎県内の観光スポットで最多来場者数を誇るほどの人気です。この一つの理由は波佐見が主に日用食器をメインに作っている窯元が多く値段的にも手頃でデザインも新しいものが多く若い人にも受け入れられやすいものが多いからだと思います。常に新しい挑戦をしている感じがあるのが波佐見焼だと思います。

どちらの器も興味深いのですが個人的にはやはり有田の陶器市の方が面白いと思います。まず規模が全然違うのと種類の多さは他では見る事ができません。また陶器市の時は全国にある他の焼き物の店も出店しておりこれらの陶器をみるのも一つの楽しみです。

何度か陶器市に通っているとそれなりに自分の好みや焼き物の良さがわかってきて、これを作るにはどれだけの手間と技術が必要かなどが見えてきます。そういう中に作り手さんの気持ちが見えるのが面白さの一つです。

6、7日は仕事で8日は毎年の恒例行事となりつつあるキス釣りに行ってきました。いつもの堤防釣りとは異なり小さな舟での釣り。この時期九十九島ではどこで釣っても釣れるというぐらいキスが釣れるはずなのですが、この日はなぜかサッパリ。周りの他の釣り人の当りもサッパリ。
こんなに釣れない日があるのかというぐらいに釣れず結局二人で10数匹(泣)。
本来であれば一人で数十匹が釣れてもいいだけにかなりショックでした。

時間帯も一番釣れるはずの満潮前後でしかも中潮。気温も高く何も悪い条件などないと思われたのですが・・・。釣りというものは本当に難しいものです。それだけ自然というのは人が考えられるぐらいの条件ではなくもっともっと多くの条件が複雑に絡み合っているからなのでしょう。

2011年05月22日

香川へ
GWが終わったと思ったら今週も連休があり香川に行ってきました。本来は仕事の予定だったのですが隣の病院の先生が学会出席の為お休みされるという事でうちの薬局もお休みさせてもらったのです。
17日の仕事を終えるとそのままバスで博多へ。ここからさらに夜行バスに乗り換え坂出へ。18日の朝、坂出に到着するとその日の宿泊予定のホテルに荷物を預けて電車で高松へ。
香川に来たらやっぱり”うどん”という事で駅近くの手打ちうどんのお店でかけうどんを注文。朝食を済ませるとフェリーに乗って女木島へ。

香川は岡山に住んでいたいた時からちょこちょこ遊びに行っており、お遍路でも行っているので今回はまだいった事のない場所に行ってみようと島に行ってみる事にしたのです。
女木島は別名鬼が島と呼ばれる周囲7.8kmの小さな島で、高松からはフェリーで20分程度の所にある島です。
女木島に到着すると早速レンタサイクルを借りて島巡りに。女木島はじめこの後訪れた男木島には瀬戸内国際芸術祭の名残でいくつかの現代アート作品がありこれが見所の一つでした。
平日という事で室内に展示してある作品は見る事が出来ませんでしたが野外にある作品は見る事ができました。特に島の一番の名所である鬼が島洞窟にある針金で人の形を象った作品はまるで人が宙に浮いているかのような感じで興味深かったです。

小さな島なので距離は大したことはなかったのですが普通のママチャリで進むにはきついアップダウンが多く汗を掻きながらでしたが平日のほとんど人のいないのどかな島はそれだけもよい雰囲気で、途中にはニホンミツバチや大スズメバチを発見したりと自然豊かさも感じる事ができました。
ただあまりにも自然が豊かすぎてこの時期交尾中のクマバチがいたるところに飛んでおり一度は顔にぶつかってしまうほどでした(苦笑)。

女木島の次は男木島へ。ここは周囲が5.0kmの女木島よりさらにフェリーで15分ほど行った場所にある島でここにもあちこちにアート作品がありました。
まずはその前に島の端にある名所である男木島灯台まで。はやりここも平日という事でほとんど人がおらずのんびりウォーキング。灯台からの帰り道は山を通る遊歩道を歩く事に。この日は天気も良く暖かかったせいか出会いたくない生き物に三度も出会ってしまいました。
遊歩道を歩いていると横の草むらからカサカサと音がしてそちらを見てみるとニョロニョロとした嫌や生き物が・・・。正体は茶色い色の小さな蛇。まぁこれぐらいの大きさなら許せる範囲と思いそのまま突き進みようやくアスファルトの道が見えてきたところで今度は同じ色をした大型の蛇が・・・。あちらも人が怖いようでゆっくり逃げて行ってくれましたがさすがに今度は気持ちが悪い。
もうアスファルトなので大丈夫と安心しかけていると今度は黒い奴が道の真ん中でニョロニョロ!
さすがに今度は横を全力で突っ走って逃げました(苦笑)。

蛇の脅威がさるとようやくアート作品を堪能し気分も一段落。
フェリーで再び高松まで戻り本日二件目のうどん屋さんへ。ここではぶっかけを食す。

高松から坂出まで電車で戻りこの日はホテルでゆっくり休む。
翌日はホテルからすぐ近くにあるスタジオで守先生の韓氏意拳の中級の個人教授を受ける。今回の香川行きの一番の目的がこの中級の個人教授で昨年中級が受けられるようになってから初めての中級でした。
初級に比べると複雑な動きが多いのですが基本的な部分は全て同じなのでそほど違和感なく動く事ができたのですが新しい動作を覚えるにはしばらく時間がかかりそうです。
これは今後じっくり体認を深めるしかなさそうです。

お昼は坂出で有名なうどん屋さんに守先生に連れて行ってもらいこの店自慢のぶっかけを頂く。昼からは香川の意拳の会員さんで親しくさせてもらっている方と一緒に練習。久々にかなり身体のできた人と手合わせに日頃うやむやにされてしまっている問題点が浮き彫りになりよい練習が出来ました。

夜は今回の旅最後となるうどん(カレーうどん)を食しバスで再び佐世保に戻ったのでした。

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