逍遥記

自由気ままに、好きなことをし、感じたままに綴る、それがこの逍遥記です

2018年09月04日

神の国
4日目〜世界遺産を巡る〜

旅館で朝食を頂き7時過ぎに江津市を出発。
すぐに太田市に入りそこから少しルートをそれて山側に向かい、世界遺産石見銀山へ。

銀山のある大森地区は赤瓦のきれいな町並みで景観保護の為に車両規制が行われているのですが自転車はOKで観光客のほとんどはレンタサイクルで町を巡るのですがマイバイクでそのまま散策へ。

世界遺産になるぐらいなのでもっと大きな町をイメージしていたのですが実際にはこじんまりとした町で自転車で回るのにちょうどい距離でした。

町の奥には唯一入ることを許されている坑道である龍源寺間歩があり外気温が30度を超える中、間歩の中は16度ほどでしばし身体をクールダウンさせることが出来ました。。

結構距離のある間歩ですが、昔の人は湧き出す水や崩れ落ちる土砂をものともせず人力で掘り進めたことを思うといかに銀の価値が高くそれだけの労をしてでも手に入れたいものだったことが伺えます。

それよりも興味深かったのはどうやってこのような山奥に銀鉱があるとわかったかと言うことです。普通に考えればわざわざこんな山奥に来て穴を掘ろうとは思わないはずですが昔の山師はよく鉱脈をみつけだしたなぁと関心させられます。
そう考えると昔の人の地質学の知識は相当なレベルだったのだろうと思います。

  
龍源寺間歩と大森の町並み

この後、いよいよこの旅の目的地である出雲大社へ。

出雲の地はそれまでの海岸線からすぐ山という地形ではなく広大な平地が広がり、農業に適した地であり、北に日本海の海の幸、東には宍道湖、南には山という非常に自然環境に恵まれた土地で日本最初の文明が栄えた地として十分な要素を備えていると感じました。

昔はかなりの高さのある社殿だったそうですが現在でもその規模はかなりのものでさすが日本全国の神様が集まる場所という雰囲気がありました。

二拝四拍手一拝という出雲ならではの作法でお参りをし、出雲名物のそばを食べに。
普段なら並ばないと食べられないみたいですが16時頃だったので待たずに入店できました。
定番の割子そばはしっかり出汁の効いたつゆに香りのよいそばおいしく頂きました。

 
出雲大社とそのしめ縄

 出雲そば

お腹も満たされたところで出雲市内中心部へ。
この日の宿泊先はネットカフェだったので先に近くの温泉で汗を流し、出雲を満喫し就寝。

走行距離95.97km 平均速度19.5km/h 走行時間4時間54分 累積高低差973m

5日目〜松江〜

出雲を出発し宍道湖沿いの道を松江へ。
ちょうどこの日は宍道湖で花火大会が行われるらしく朝早くにも関わらずすでに場所取りの人達があちこちに。

水の都松江は松江城を中心にきれいに整備された町並みで遊覧船がよく似合います。
国宝松江城は他のお城のような展示はあまりないもののさすが国宝だけあり内部の梁や柱は見応えのあるものでした。

  松江城とお堀

松江城周辺を徒歩で散策した後、近くで昼食を食べてこの日の目的地米子市へ。

この日もネットカフェに宿泊だったので近くの皆生温泉で疲れを癒やし就寝。

走行距離76.47km 平均速度21.4km/h 走行時間3時間34分 累積高低差217m

2018年09月10日

上洛への道
先日の台風21号、更には北海道の地震と全国各地で大きな被害が出ました。
我が家も網戸が外れて飛んだり、家の下の耕作放棄地にある小屋のトタンが飛んできたり、蜂の巣箱が飛んだり・・・。
周囲の家では瓦が飛んだ所が何件もあったり、看板や木が倒れたり、報道でもあったように渡月橋の欄干が倒れたり、・・・。
近所でも被害がひどかったのが大覚寺です。
案内の看板が倒れたりはもちろん、大きな木が何本も倒れ建物も被害を受け復旧までの目処が立たないため今月予定されていた観月の夕べも中止となりました。

京都ではまだ町のあちこちに台風の爪痕が残っている状態です。

ここ数日は大雨が続いているので被害がひどくならなければよいのですが。

天災続きで落ち着かない日々ですが自転車旅行の続きを書こうと思います。

6日目〜鳥取横断〜

米子を出発すると標識には京都300kmの文字。
ここに来てようやく最終目的地京都までの距離が表示されるようになってきてこの旅も終盤にさしかかってきたことを実感。

米子から鳥取市内までの海岸線沿いの道はサイクリングコースにもなっており景色がとても美しく、途中には風力発電の風車が何基もありました。

 風車のある風景

途中の北栄町にはアニメ名探偵コナンの家を通る。
ここはコナンの作者の青山さんの生誕の町という事でコナン関連のものが沢山ありました。
ちなみに鳥取には鳥取砂丘コナン空港があったり、今回は寄らなかったのですが境港にはゲゲゲの鬼太郎で有名な水木しげるロードがあったりとアニメにゆかりのある地として売り出しているようです。

 コナンの家

山陰を通る主要道路である国道9号を進んでいると時々自転車の人にすれ違うのですが、その中には格好から推測しておそらく日本一周の途中ではと思うような人がちらほら。
この日はそんな人達の中に驚くべき人を発見。
正面から見た姿はいかにもサイクリストで特に違和感がなかったのですがその人が反対側の車線の真横に来たとき一瞬目を疑いました。
そこにはあるべきものが一つしかないのです!
そう普通二つあるべき車輪が一つ、つまり一輪車なのです。
しかもシートポストに荷台を付けてちゃんと荷物も載せて普通に走っているのです。
さすがにスピードは普通のロードバイクに比べれば遅いのですが普通の自転車並のスピードで平然と進んでいるのです。
上には上がいるものですごい人が世の中ごろごろいるなぁと感心しました。

朝早く出発したので昼過ぎには鳥取市内に到着しお昼は有名な”スタバ”ではなく”すなば”珈琲へ。
特に変わったメニューがあるわけでもなくコーヒーの味も普通でしたがお店の床には砂がまかれており、さすがは”すなば”でした。

  すなばでランチ

この日はカプセルホテルで就寝。

走行距離98.95km 平均速度22.2km/h 走行時間4時間22分 累積高低差425m

7日目〜最後の山場〜

この日の朝もホテルの一階にあるすなばコーヒーでモーニング。
お腹を満たしたところで出発。

出発してすぐに鳥取の代名詞でもある鳥取砂丘に到着。
去年のお正月に家族旅行で来たところなので疲れないように今回は手前だけ見てから先に進む事に。

 
鳥取砂丘

ここから兵庫県を通り京都への道は険しい山道の連続でしかもこの日はこの旅初めての雨も途中から降り出すという悪条件。
途中民家の軒先で雨宿りをさせてもらっているとそこの住人の方が来られ少し話をしたのですがこの辺りで雨が降るのは約一ヶ月ぶりだそうで畑には恵みの雨との事でしたが自転車旅の者にしてみれば試練の雨。
それでも雨宿りをさせれもらったおかげで走行中は大して濡れずに済みました。

途中の湯村温泉の足湯で小休憩したり、高校の時のサッカー部の夏合宿で来た懐かしいハチ北高原の険しい峠を超えたりしながら兵庫県の山間の道を通り抜け、ようやく京都府に。

  湯村温泉と京都府の看板

このまま一気に進むには少し距離があるのでこの日は福知山のカプセルホテルで最後の一泊。

走行距離123.12km 平均速度22.0km/h 走行時間5時間35分 累積高低差1179m

8日目〜いざ都へ〜

福知山を出発するとここからは知った地名に懐かしさを覚えつつ我が家を目指す。

丹波〜亀岡と来るともう京都市は目の前。
京都市内に老ノ坂峠を越えればもうそこは京の都。
いにしえの時代より多くの人が目指した京の都、佐世保からの長い道のりでしたが昔の人達が歩いて来たのに比べれば人力とは言え自転車はありがたいものです。

老ノ坂峠を越え市内に入りそこから北へ。
観光客で賑わう渡月橋を越えれば長かった旅も終わり、ついに我が家へ到着。

ちなみに我が家は洛外なので厳密に言えば上洛というのは間違いなのですが気分は上洛なのでこの際細かい事はなしとしましょう。

 
渡月橋と我が家

走行距離88.16km 平均速度22.0km/h 走行時間3時間59分 累積高低差756m

佐世保を出発し8日、総走行距離887km、総累積高低差6405m、真夏の旅で熱中症の心配もありましたが無事旅を終えることが出来ました。
旅を応援して下さった皆様本当にありがとうございました、良い経験ができました。

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